タコストーブ再生プロジェクト

平成25年3月に昭和7年から鋳物ストーブや鋳物製品を長年製造されてきた株式会社相原鋳物製所さんが惜しまれつつ廃業されました。

昔ながらの生砂(なまずな)を使って鋳物ストーブを製作するのは、国内でも大変めずらしくとても高度な技術を要する製法で造られていました。

函館に置ける鋳物ストーブの歴史は幕末に始まります。

安政3年(1856)箱館奉行所は当時函館港に停泊中のイギリス船で使用していた鋳物製のストーブを参考にして函館の鋳物職人の源吉さんに依頼して日本で最初の鋳物ストーブを6台製作いたしました。(重量約86Kg)

現在、函館市末広町の高田屋嘉兵衛資料館にてレプリカが展示されております。

リンク⇒函館市公式観光情報-日本最古のストーブ-

レプリカの製作は相原鋳物さんが鋳造して木型の製作は私の師匠の

故中村国広さんが製作したものです。

 

私は、過去の歴史をも考え函館から栄えていった鋳物ストーブの火を消してはいけないと思い相原鋳物さんの鋳物工場解体作業中に何点かのストーブの木型を見つけ譲り受けました。

鋳物ストーブの博物館が出来るくらいの量の木型や金型が処分されてしまい残念でしたが

救い出した数種類のストーブの木型を修理して、また皆様に見ていただけたらと思い

タコストーブ再生プロジェクトをはじめることとなりました。

タコストーブは国鉄ストーブとかダルマストーブとか名称は様々だったようですが

丸くて小さいとても可愛い珍しいストーブです。                       

球体部分の木型は恐らく昭和20年代当時のものでしょう。
まずはオリジナル重視でレストアしていきたいと思いますので
図面も当時のものが有るので寸法がとても正確に再現できるでしょう。

当時の木型を確認した所欠品しているのは空気調節の円盤状の部品(くるくる)が1点

無いので図面と函館に現存しているタコストーブを参考に木型を復元。

本業の木型製作の合間のレストア作業なので思うように進行しないと思いますが

作業状況を紹介させていただきます。

鋳物の鋳造に関しては函館で鋳物に関して100年以上の歴史がある村瀬鉄工所様に

お願いすることになりました。

村瀬さんは現在鋳鉄管を主に製造していますが昔は相原さん同様に鋳物の

ストーブも製造してました、これらのストーブ製造に関しては現在の

製造ラインからは外れるのと木型が昔のままの状態で使用するので

一つずつ手作りで鋳造して頂いております。(オールHakodate)

ジンギスカン鍋「蟻の火ふき」も同様で、とても丁寧な仕事をして頂いてます。

このプロジェクトを通してビンテージストーブの魅力を感じていただけたらと思います。 

 

 

 

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2013年2月25日の北海道新聞に、大正時代の3等列車客車内のタコストーブの役割が載っている記事です。

その当時の人々が重宝し、タコストーブが親しまれていた様子がうかがいしれます。

タコストーブの木型レストア

かなり痛んでいますが木型はレストア可能です。
かなり痛んでいますが木型はレストア可能です。

新穂栄蔵さん著の「ストーブ博物館」によると、このストーブは、明治13年に開拓号(アメリカ製客車)にアメリカ製の石炭ストーブが使われたのが最初のようですが、その後、国内で生産された小さくて可愛い形の珍しい石炭ストーブです。タコストーブ・だるまストーブ・地球型ストーブ・ほおずきストーブなどいろんな呼び名があるようです。

トレインストーブ

球の頭に3本の角がないタイプは後期モデルです。
球の頭に3本の角がないタイプは後期モデルです。

 

出来上がるとこんなにかわいいストーブなんです。
燃焼部分の直径は30センチの小ささです。

球体が 燃焼効率のいい形なのです

中子取り(なかごとり)のロウ落とし

厚い所は3ミリほどロウが塗っています。製品の球体の肉厚の調整をロウでした様です。
厚い所は3ミリほどロウが塗っています。製品の球体の肉厚の調整をロウでした様です。

 

球体の部分を作る木型は、中子取り(なかごとり)といいます。この中に砂を入れて固めてから取り出します。

中子取リの内部は補修の為に一面ロウが塗ってありますので 全て除去します。

昔は、面付けや補修する為にロウや石膏が 使われてきましたが、修理するときこのロウが厄介で 接着剤や塗料、パテなどが着かないので、全てきれいに 落さなければなりません。

 

くるくる

 

「くるくる」がひどく破損していたので、木型を作ります

ちなみにくるくるって空気調節の蓋のことです。

  1. 厚さが10ミリのベニ松から製作だいたいの寸法で切り抜きます
  2. 木工旋盤にセットして図面の寸法どうりに切削加工していきます。
  3. 旋盤からはずしたら細かい所をサンドペーパーで仕上げます
  4. 出来たらクリヤーのラッカー塗装をして出来上がり

球体の木型

表面の銀色の離型剤を軽く落として見ました・・・・やっぱりって感じでした。
表面の銀色の離型剤を軽く落として見ました・・やっぱりって感じでした。

木型の表面の状態は、悪い状態で寸法もかなりくるっています。

木型の材質は桂材を使用していました。

中のほうまでは変質はないようなのでこの後洗浄(クリーニング)パテ処理に移ります。

 

最終のチェック

タコの頭であるこの燃焼部分!
タコの頭であるこの燃焼部分!

 

全ての木型パーツを念入りチェックします。  

 

なるべく当時の形を維持しながら木型の再生

作業を続けていきます。

完成まで もうすぐです!


灰箱

灰箱
灰箱

先に鋳造し終わった部品です。

修理し終わった木型を使って忠実に再生しました。

灰箱・くるくる・風戸・ロストル・蓋

この後燃焼部(タコの頭)の鋳造です。

耐熱塗装した灰箱
耐熱塗装した灰箱

灰箱を耐熱塗料で塗装後に仮組し鋳造の制度の確認しましたが、いい出来です。


外型

 

タコの頭を慎重に分解しました。当時は「ニカワ」を使用していました。結構簡単に剥がれたので損傷なし!

 

きれいに汚れを落とし木工用ボンドを塗布して貼り合わせます。

表面に塗っていたロウが木に染み込んでなかなか落ちないので、溶剤(アセトン)などにタワシを浸しゴシゴシこすりました。その後、ポリパテを塗り固まったらサンドペーパーで球面を仕上げます。パテとサンディングを5回ほど繰り返し表面をツルツルしたら次は塗装です。

 木型用塗料を塗り、型を合せてみました。ここにきて、煙突のサイズが現在の一般的な寸法と異なることが判明しました。3寸3分だったのです。現在はホームセンターなどでは3寸5分が一般的です。なので、特別注文でアダプター煙突を特注することに致しました。


続いています。

どうぞ次のページヘおすすみください!

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明治中期から昭和40年頃まで国鉄の客車や車掌室に使われてきた球形の可愛い石炭ストーブです。

現存する昭和20年代の木型を当時の図面から忠実に修復・再生させ、貴重なオリジナルとして現代によみがえらせました。

 

このストーブは日本最古の鋳物ストーブ発祥の地-函館-で全て製造しております。

 

本体価格:231,000円(税込)

完全受注生産となります。納品期間・価格・送料はお問い合わせください。